「ペーパーレス化はなぜ必要?」「どこから始める?」 事例で学ぶ!ハイブリッドワークの大前提・ペーパーレス化 成功の3ステップ

コラム

紙を中心とした仕事が残っている場合、オフィスに出社せざるを得ないということも少なくありません。

たとえば、このようなことのためだけに出社しているメンバーは周りにいませんか?

  • 契約書に印鑑を押して、郵送する
  • プレゼン資料を会議までに印刷する

書類の提出や押印のためだけに出社するなんて事態は避けたいところです。

出社と在宅を組み合わせたハイブリッドワークにおいては、オンライン上に情報を集めて、仕事をスムーズに進めていくためのペーパーレス化は欠かせないものです。

しかし、どこから手を付けるべきか、紙の業務に慣れたメンバーをどう巻き込んでいけばいいのかなど、悩みも尽きないところ。

そこで本記事では、ハイブリッドワークに欠かせないペーパーレス化を成功させるポイントを解説します。

ペーパーレス化に向けた3つのステップ

どのように始めていくことが、ペーパーレス化を進めるためには有効なのでしょうか。
具体的には、

  • ペーパーレス化の目的を明確化する
  • 普段の業務から、小さく始める
  • 少しずつ周りを巻き込んでいく

という3つのステップでペーパーレス化を進めてみてはいかがでしょうか。

【ステップ1】ペーパーレス化の目的を明確化する

普段、紙での業務に慣れている場合、闇雲に紙を減らそう!と思ってもうまくいきません。なぜペーパーレス化を図りたいのか、どのようなメリットが得られるといいのか、目的を明確化することが必要です。

紙を中心とした業務を行っていると、資料が膨大にあるため必要な情報がすぐ見つからず時間がかかってしまいます。また紙での情報管理は、その紙の存在を把握し、持っている特定の人が情報を独占することになり、結果として仕事が人に依存し属人化してしまいます。さらには、紙の資料ファイルを持ち歩いていると、紛失したり情報漏洩のリスクもでてきます。

ペーパーレス化を始める際には、これらのような問題を解決するために、「業務の効率化」、「属人化の防止」「情報漏洩リスクの回避」といったような目的を明確化することが重要です。

ペーパーレス化を図る目的を、ただ「紙を減らすこと」と位置付けてはなかなかうまくいきません。目的を具体的に明確化して、どこから手をつけ始めるべきか優先順位をつけるべきです。

【ステップ2】普段の業務から、小さく始める

ここからは、多くの場合で手をつけやすい「普段の業務から小さく」という取り組み方を詳しく解説していきます

そもそも紙の情報には、すでに保管されているいわゆる「ストック」の紙情報と、これから新たに発生する、いわゆる「フロー」の紙情報という2つに分けることができます。

ストックの紙情報をペーパーレス化するには、多くの時間と手間がかかります。いずれは手を付けたいところですが、まずはこれから生み出されるフローの紙情報から手を付けていきましょう

ストック型、フロー型の書類を表したイラスト。ストック型は一定期間以上、保管する必要がある書類。フロー型は、その場限りで使うだけの書類を指す。

そして、ペーパーレス文化を根付かせていくためには、いきなり全社で取り組むのではなく、部署・チーム単位で日常的に行っている普段の業務から小さく始めてみることがおすすめです。

では具体的なケースをみていきましょう。

会議資料編【Garoonユーザーの取り組み事例】

日々行われている社内会議で使う資料を印刷し、毎回参加メンバーに配布しているケースはあることでしょう。

当然ながら印刷するだけでも時間を要し、会議直前に資料の修正があれば、その部分だけを再度印刷して差し替えたり、誰かに資料が渡っていなかった…!なんてことも。そのようなことにならないよう、会議資料をデータ化して事前に共有しましょう。

会議の予定をまずGaroonのスケジュールに登録。会議予定には、ファイルを添付できるので事前に会議資料を共有。資料を印刷、配布する手間もかかりません。

Garoonのスケジュール画面。参加メンバーの他、メモ欄には議題について記載されている。

最初は抵抗もあり、紙での資料が欲しいというメンバーがいる場合でも、資料の共有はGaroonが前提であることを伝えて、どうしても必要な場合は各自で印刷するようにお願いするようにしたそう。

次第にGaroonでの共有が定着していき、最初は抵抗を感じていたメンバーをわざわざ印刷することが面倒になり、ペーパーレス化が自然と進んでいったそうです。

会議予定のスケジュールでコメント機能を使うと事前連絡や相談も行えるので、参加メンバー全員に対して会議にまつわる様々な情報の見える化が出来ます。

Garoonのスケジュールのコメント。会議の前に添付した資料の内容について説明している。

また、会議スケジュールと紐付けて議事録や報告書を作成・確認できる「マルチレポート」の機能もあります。全員に見える形でメンバーに共有することも可能で便利です。

Garoonのマルチレポートの一覧画面。

議事録などの資料はもちろん、会議中のちょっとした質問や気になった情報のメモも含めて、あらゆる情報をオンライン上に残しておけば、これまでなら流れてしまっていた情報も蓄積できます。資料や情報が蓄積されるようになると、他の人が活用できるようなケースもでてくるでしょう。

ワークフロー(申請業務)編【kintoneを活用したサイボウズ社内の事例】

日々の業務のなかで、申請・承認を伴う契約業務はつきもの。押印申請では、紙書類にハンコの押印をしているというようなケースもあることでしょう。

すぐに承認を依頼したいのに担当者が不在でなかなか承認してもらえなかったり、承認者が多くて誰が承認するのかや、どこまで進んだかも分からなくなってしまうことも。

状況を見える化して、どこにいても申請・承認をできるようにしましょう。

サイボウズ社内では、kintoneを使って申請・承認の業務を行っています。ステータスの履歴が表示されるので、申請・承認がどこまで進んでいるのかがわかります。

kintoneのステータス履歴の画面。日付や作業者、ステータスがわかる。

承認が遅れている場合などは、案件に紐付けてコメント欄で個別に承認者に連絡もできるので、対応漏れを防ぐことができます。

kintoneのコメント機能の画面。申請の承認をお願いしているやりとり。

また、申請した情報はkintoneに蓄積されるので、過去にどのような申請をしたのかやチームメンバーが担当した申請のステータスも一覧で確認できます。

kintoneの押印申請アプリの一覧画面。過去にどんな申請があったかがひと目でわかる。

kintoneはモバイル対応しており、スマホに通知がくるため、いつでもどこでも申請の確認ができます。外出や出張で不在の場合に回覧が止まってしまうことも防ぎ、業務の対応スピードを上げることができます。

モバイル版のkintoneの画面。

【ステップ3】周りの人を巻き込んで、少し範囲を広げてみる

 日常的な業務や、チームのなかでペーパーレス化を始めることができたら、ペーパーレス化できる範囲を部署ごとや部門をまたいでさらに広げていき、少しずつ周りを巻き込んでいきましょう。

 その際は、共感を呼びながら進めていくことが大切です。立場の違うメンバーにもペーパーレスのメリットを広く知ってもらうためには、現状の紙で行っている業務を否定することは避けるべきです。ペーパーレス化を進める上でどのようなことがネックだと感じるのか、どうしたらツールを使いやすくなるのかを考えましょう。

 サイボウズ製品ユーザーの実際のケースでは、ツールを導入してもなかなか現場に馴染まない場合は、その現状をせず“どのような状態であればうれしいのか、理想的なのか”ヒアリングを行ったそう。“業務を効率化したい”“属人化をなくしたい”といった目指すべき理想が見えてきたら、視点を合わせたうえでペーパーレス化を進めていく。

 ツールを使ってペーパーレス化を行ってみて、使いにくい部分があれば課題をボトムアップですくい上げて、理想の状態と現実の課題を把握してギャップを埋めることが欠かせません。部門を超えて視点をあわせて、現場主導のペーパーレス化を実現したそう。

問題を認識し、原因を検討し、課題を設定し理想まで近づけるステップの図。
「問題」を認識したら、現実を作りだした「原因」を検討し、問題を解決するための「課題」を設定し行動していく

それぞれのペーパーレス化で叶えたい理想の状態に近づくためには、部門を超えて視点を揃える緻密なコミュニケーションが必要です。

おわりに

紙での業務を減らして、情報をオンラインで共有することはハイブリッドワークの第一歩です。

ペーパーレス化を成功させるためには、

    • ペーパーレス化を図る目的を明確化する
    • 普段行っている身近な業務からペーパーレス化してみる
    • 共感を呼びながら、少しずつ周りを巻き込んでいく

    以上の3つのステップが重要です。

    「紙の業務のための出社」をなくして、場所に縛られることのないハイブリッドワークを着実に進める、ペーパーレス化に向けたステップをぜひ参考にしていただければと思います。

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