社内メールからの卒業が、21世紀型の組織の実現には不可欠。ハイブリッドワークを無理なく実践する秘訣は、「情報共有」だけでなく「状況共有」もできる仕組みづくりだった

セミナー

THE HYBRID WORKでは、2022年6月3日(金)にオンラインイベント「THE HYBRID WORK JOURNEY」を開催。サイボウズのハイブリッドワークのノウハウを半日に凝縮してお伝えしました。

本記事では、その基調講演「組織の未来はハイブリッドワークにある」の後編の模様をお届け。サイボウズのコーポレートブランディング部長・大槻が、ハイブリッドワークの成功に重要な「状況共有」ができる情報共有ツールとその理由を語ります。 

(前編はこちら)

スピーカー

  • 大槻 幸夫(サイボウズ株式会社 コーポレートブランディング部 部長)
  • 青野 慶久(サイボウズ株式会社 代表取締役社長)

「宛先に入っていないと見られない」が「離れて働く」を阻む

大槻:では、ここからはわたくしの方から、ハイブリッドワークの組織を運営していくときのツールについてお話をしていければと思います。

わたしの自己紹介です。サイボウズでコーポレートブランディング、サイボウズという会社を知っていただく広報的な部署のマネジャーをしている、大槻幸夫と申します。よろしくお願いします。

スピーカー大槻さんの自己紹介スライド

この10年、オウンドメディアのサイボウズ式を立ち上げたり、一昨年は「がんばるな、ニッポン。」というテレビCMをご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、さまざまなメディアや手段を通じてサイボウズの働き方改革を伝えてきました。

今日はその視点から、ハイブリッドワークのツールの考え方についてお話しできればと思います。

では、青野さんの先ほどのパートのおさらいです。

青野さんパートのおさらいスライド

たしかにこれ(ハイブリッドワークの3つのポイント)、大事だなって見ている皆さんも思われると思うんです。でも、やっぱり(実行するとなると)難しいですよね。

その「難しい」って感じてしまうことの因数分解とか、何でなのかなって理由を考えてみると、僕はひとつには使っているツールのせいっていうのもあるんじゃないかなと思うんです。

メールやウェブ会議だけでは離れて働けない?と言うタイトルのスライド

多くの会社さんではとくにメール、あるいはコロナ(禍)が始まって、ZoomやTeamsなどのウェブ会議のツールを使ってお仕事されていると思うんですけれども。

実は、このメールやウェブ会議っていう仕組みには「そこに参加している人以外はアクセスできない」っていう特徴があるんですよね。

宛先に入っていないと(やり取りを)見れない。会議に呼ばれた人しか(やり取りを)見れない。こういう特徴があるのかなと思っています。

(宛先に)入っていない人には見えない。すると、管理職は何を思うのかというと、これはある調査ですけれども「人とのコミュニケーションがなく寂しい」となっちゃうんですね。

あしたのチーム「テレワークと人事評価に関する調査」の結果スライド

それで「寂しい」って(素直に)言ってくれればいいんですけど、寂しいとは言わずになんと言うかというと「在宅なんてダメだ」「そんなので気持ちが通えるか!」「会社で会議をするぞ!」……どうしてもこうなっちゃうわけですよ

昨日でしたかね。ニュースで、テスラのイーロン・マスクが「週40時間出社しないやつはクビだ」と。出社しろってことですよね。

やっぱりこの(寂しいという)感覚・理由っていうところを深掘りできていないと、どうしても出社しようということになってしまうのかなと思うんです。

ハイブリッドワークでも組織に一体感を生み出すためには「状況共有」が重要

大槻:ハイブリッドワークに求められることは何なのかというと「情報共有」。これはもちろん大事なんです。

これに加えて「状況共有」。”情報”になる手前の”感情”だったりとか”思い”とか、リアルオフィスでは横に座っていたら感じられたような溜息とか、そういうものを一緒に共有できたら、(離れて働いていても)きっと出社しているのと同じような一体感を生み出せるんじゃないかなと思うわけです。

この状況共有を実現するITツールのポイントの1つは「(宛先に)参加していなくても見える」。先ほど言ったように、このツール(のやり取り)の中に入っていなければ見えないんだったら、状況を共有できないですよねと。

それから、相手なしでも発信できる。誰かに(宛先を指定して)送らなければ発信できないツールって、状況共有は苦手かなと思うんです

「あー、ちょっと仕事して疲れたなあ」っていう内容を、メールで上司に(わざわざ)送ることはないですよね。わざわざZoomをつないで「ちょっと休んでいいですか?」なんてことは言えないわけです。

(状況を共有する)気軽さの敷居がめちゃくちゃ高い。ここがポイントになってくるかなと思うんですよね。

で、この状況共有を、実はサイボウズの製品たちはめちゃくちゃ手軽にできるようになっています。

kintoneであればリスト型のデータを共有したりとか、Garoonやサイボウズ Officeであれば、スケジュールだとかワークフローだとかファイルの共有ができる。メールワイズはチームでメールを処理できる。

そういうツールなわけですけれども、これら全部に備わっている特長が、先ほど言った1番と2番(参加しなくても見える、相手なしでも発信できる)のところなんです。

この「参加しなくても見える」というところを、ちょっと深掘りしていきます。

メールとかウェブ会議というのは、参加(の操作)が必要なんです。でも、サイボウズは「そこに参加しなくても見える」。こういう構造を生み出せるツールなんです。

たとえば「うちはチャット(ツールが)入ってます」なんていう会社さんもあると思うんですけれども、チャットのスペースが並んでいて「オープンスペース」「気軽に参加してね」「歓迎!」と書いてあっても、参加ボタンを押さないと中の様子が見えないってなると、めちゃくちゃ(参加への)敷居高くないですか? 

ここがやっぱりすごく微妙なところなんです。けれども、サイボウズ製品というのは、デフォルトでオープンなんです。基本見える。で、機密情報とかがあったらアクセス権をかける。

こういう考え方になっていますので、たとえば青野さんの予定も、僕ら社員はみんな見えちゃうんです。「あ、今週末は(お子さんの)卒園式なんだな」とか、プライベートの予定も青野さんは入れられているので、そういうのも見えちゃう。

多くの会社さんでも日報なんかはやられていると思いますが、わたしはマーケティング(部)の人間ですけれど、営業の(社員の)皆さんの日報なんかを見て「今日はお客さんにこんなことを言われたんだな」とか、そういうことを知ることができる。

さまざまなプロジェクトが(社内では)動いていると思いますが、それもkintoneだとかサイボウズ OfficeだとかGaroonで、みんながやり取りをしているのを一覧で見れるんです。

先ほどのメールやチャットのような仕組みでは、情報を見にいくには参加(の操作を)しなきゃいけなかったですけど、サイボウズの場合は(参加しなくても)見にいくことができる。チラ見ができるんです。

中の様子を知ってから参加っていうこともできるし、発言も(参加する前から)できる。周り(の様子)が見えるから安心して、ハイブリッドワークに取り組めるのかなというふうに思います。

サイボウズは、こういうメールとかウェブ会議が壁にしちゃうものを、窓ガラスのように見えるようにしてくれる。そんなツールなんですよ、ということなんです。なので、サイボウズを使っていただくと、オンラインに安心を作れるのかなと。

参加していなければ見えない。そうすると自然に組織の壁が生まれちゃうんですよね。

コロナ禍前、テレワーク前もそうだったかと思うんです。メールで仕事をしていると「(オフィスで)後ろに座っている人が何しているかわからないな」って、そんな状況っていくらでもあったかなと思うんです。それってメールで(仕事を)やっているからなんですよね。

サイボウズを使っていれば、みんなが何をしているかっていうのが見えますから、自然とチームワークが生まれる。メールとかウェブ会議が、ハイブリッドワーク実現を難しくしてたんじゃないかなということなんです。

特定の相手を定めなくても発信できる「分報」で、離れていてもみんなの様子が感じられるように

大槻:2つ目、「相手なしでも発信できる」。これがさらにおもしろいところですね。

メールとかウェブ会議は(メールを)送る相手や(ウェブ会議に)呼ぶ相手がいなきゃいけなかったんですが、サイボウズの場合は(宛先を)指定しなくてもつぶやく感覚で発信できる。相手(の指定)が必須だと、状況を伝えるのは難しいですよねっていうことなんです。

で、最近のサイボウズの中で一押しの取り組みとしては、kintoneとかサイボウズ OfficeとかGaroonで実現できる「分報」というものですね。

先ほど日報っていうのがありましたけれども、こちらはですね、気づいたら書くっていう感覚。1日の最後にまとめて報告するんじゃなくて。

もうTwitterみたいなもんですね。SNSみたいな感じでつぶやくので。

「企画についてヒアリングする予定を恐る恐る入れたぞ」ってつぶやいてみたら、(予定を)入れた相手から「なんで恐る恐るなんですか?」なんてやりとりも発生したりとか、「今日はサイトリニューアル関係の打合せなので30分抜けます」とか、そんなことを気軽につぶやく。

これがあると、1人ぼっちで家で働いても、みんなの様子を感じながら働くことができるんです。

めちゃくちゃ安心感があるというか、みんなこんなことしてるんだなということを知りながら働けるっていうのが、ハイブリッドワークの不安とか寂しさっていうのを低減させる、大きなポイントになるんじゃないかなって思うんです。

この後のセッションでマネジャーのセッションがありますけれども、マネジャーにとっても(こうした取り組みは)役に立ちますよね。なんだったらコロナ禍前に出社していたときだって、マネジャーって会議でほぼ席にいなかったじゃないですか。みんなの様子なんか見えていなかったはずなんですよね。

(ところが)みんながこれ(分報)をしてくれてるんで、「あっ、今日こういうことに取り組んでくれたんだ」とか、「こんなことに悩んで、ああ、彼が手伝ってくれたんだ」とか、そんなことが見えるわけです。

だから、ハイブリッドワーク時代になって(メンバーの様子が)見えなくなったから、評価の方法もメンバーシップ型からジョブ型へとか、そういう議論もありますけれど、見える化されてしまえば、状況を共有していれば、実はその辺の変化はなくても今まで通りできちゃうかもしれないねっていう、そんな感じがしています。

で、分報は(サイボウズ社内で)とても流行っておりますので、社長の青野さんも含めて、経営陣もですね、みんなつぶやくようになりました。あとで(青野さんに)お聞きできればと思うんですが、なんらかメリットを感じられたのかなとは思うんですけれど。

キュレーターの誕生、物理オフィス中心でない組織運営など、サイボウズで起きた変化

大槻:こうやって、参加しなくても情報共有できる、宛先なしでも発信できるっていうこの掛け合わせで(社内のオンライン上の)情報量はめちゃくちゃ増えたんですけれども、(そこで)新たな存在としてキュレーターというのが生まれました。

(キュレーターの)小林悠さんは情報処理が得意な人で、いろんな部署のスペースを見にいって、いろんな分報を見て、「これ気になる話題だな」と(自身の分報に)引っ張ってきてくれるんです。

小林さんに(関係が)近い人たちはみんな小林さん(の分報)を見ていて、「あっ、こんな情報があるんだ」って思ったら、(小林さんが共有した情報のリンク先を)参加していなくても見にいくことができる。こんな情報流通の新しい形が生まれています。

で、先ほど青野さんの話でも「オンラインの可能性を追求していけば、組織がどんどんどんどんアップデートされていくよ」っていう話がありましたが、サイボウズでも今そのあたりを実感しているところですね。

物理オフィスって(実は)障害だらけなんですよ。距離の壁もありますし、(国が違うオフィス間だと)時差とかもありますし、副業や介護、育児などされていたら(働く)時間帯がずれるじゃないですか。あるいは身体的な障害だとか(もあります)。一緒に働くっていうことは難しい。

そういったいろんな障害があると思うんですけれども、オンラインオフィスを実現することによって、この障害をすべて取り除いて、ある意味ユニバーサルなオフィス、オンラインで全員が本社勤務みたいな状態を作り出せるのかなと思っています。

これはサイボウズのおもしろいエピソードですけれども、たとえば地方(の拠点)に所属していると、なかなか思うようなキャリアを描けない、なんていう問題があったかなと思うんです。

大阪オフィスの営業の方が、今までは東京オフィスに勤めていないと責任あるポジションに就けなかったんだけれども、ハイブリッドワークになって、大阪でも東京のパートナー(企業)さん(担当)の責任あるポジションを任されるようになったよなんていう、こんなことも生まれてきてるんですね。

「どんな組織を目指しているメーカーなのか」で、導入するITツールを選択してほしい

大槻:ということで、わたくしのセッションのまとめになります。

離れ離れのハイブリッドワーク組織の運営では、リアル職場で見えていた部分がなくなっちゃったわけです。これを補うっていうことに、皆さんなかなか気づかれてないんですけれども、ぜひチャレンジしてほしいなと。

そのためには、情報共有はもちろん大事なんですけれども、それに加えて状況の共有も大事だなと思っています。

サイボウズ(製品)であれば、参加(の操作)もいらず、相手(の指定)もいらず、こういう状況の発信ができます。これによって、先ほどお話ししたようなオンラインの可能性を最大限追求した、そんな21世紀型の組織に変化できるのかなと思っております。

ということで、サイボウズが目指すものは……「情報共有」はもちろんできます。さらに「状況共有」を加えることによって、その人の存在感まで共有する。

バラバラで働いていても、一緒に仕事をしているという状況を共有することで、そこから「自分がチームに役立ってるんだ」「自分に役割があるんだ」という承認感覚を持てる。それが会社への信頼や一体感に繋がっていくのかなと思います。

サイボウズのツールがこういうことを実現できるのはですね、サイボウズが目指している企業理念が「チームワークあふれる社会を創る」。理想に共感し、公明正大で、多様な個性を重視し、自立と議論にあふれた、そんな組織を作っていこうぜと。

こういうパーパスを掲げている会社だからこそ、こういうツール、こういう仕様になっていくということで、ハイブリッドワーク時代に利用するITツールを選ぶときには、ぜひそのメーカーさんがどんな組織になろうとしているのかというところまでしっかり吟味いただいて、チョイスいただければなというふうに思います。

この後、セッションが3つ続きますが、簡単にご紹介させていただきます。

最初のセッションは、サイボウズの社員がじゃあ一体どんなふうに1日働いているのかというところ。

具体的に(1日の流れを)見てみたいなと思われる方もいらっしゃると思いますので、1日のタイムテーブルをご紹介しながらですね、こんなふうにオンラインとオフラインを組み合わせながら働いていますよ、っていうのをご紹介させていただきます。

次のセッションは、今回お申し込みいただく際にもフリーコメントをたくさんいただきました。その中でも多かったのが「偶然の出会いがなくなった」とか「人間関係が作りにくくなった」ということがありました。

なので、そのあたりサイボウズってどんな工夫しているのかな、ということをご紹介させていただきます。

最後のセッションですね。こちらもめちゃくちゃコメントが多かった、マネジャーの悩みですね。

どういうふうに(メンバーの)みんなのことを見ていけばいいのか、評価・育成、そういったところについて、サイボウズのマネジャー陣を交えてお話できればなと思っております。

わたくしからのセッションは以上とさせていただきます。

リモート反対派とはどう付き合っていく?

大槻:ここからは青野さんにもお戻りいただきまして、Q&Aのセッションに入っていければと思います。

青野:なんかめちゃくちゃ質問がいっぱい来てるらしいね? こんなに盛り上がるイベントは珍しいっていうか、みんなどんだけ困ってんだっていう(笑)。

大槻:みんな悩んでいらっしゃる(笑)。

若手よりも経営層が接触的に在宅を活用するためには何が必要か?

世代間による感覚の違いをどうやって克服しているのか?経営層の意識改革はすんなり行ったのか?

青野:若手はテレワークやりたいけど、なかなか経営陣が認めてくれない。よく聞くやつですよね。サイボウズの場合は比較的、全社でやっていこうっていう風土がありますけど、なかなか大変ですよね。どうしましょう?

大槻:(せっかく)青野さんがいらっしゃるんで、経営陣からハイブリッドワークはどう見えているか、こんな提案してみたらとか、そういうあたりをお話しいただけるといいんですかね?

青野:現場でできることと言えば、やっぱり成功事例を作って、それを示していくと。まあこういうことになるかと思うんですよね。

とくに最近、経営者がすごく気にしているのは人手不足。少子高齢化で、とにかく若い人を採用できない。

なので、「僕たち現場でハイブリッドワークにチャレンジしました。こんなに若手が喜んでくれました」もしくは「辞めていく人を止めることができました」「あのライバルの会社はハイブリッドワークできなかったんだけど、この会社はできると聞いて(面接に)来ました」とかですね。

こういう事例があると、経営的には「あ、これでいいんだ」と自信を持っていけると思うんです。

大槻:サイボウズは、ハイブリッドワークが理由で転職される方は多いですか?

青野:ハイブリッドワークできるからサイボウズに来るってこと、多いですよね。どこ(の会社)から来ているのかは言いにくいけど(笑)。

ほんと、そういうところ(ハイブリッドワークができることの利点)を経営者に見せていくとね、少しずつ意識改革できるのかなというのが1点。

もう1つはですね、やっぱり現場の人にはですね、場合によってはね転職するっていうカードを切ってほしいなと思うんですよね。

わからずやの経営者のもとでね、自分の人生をずっと消費するのも大変でしょうからね。(ハイブリッドワークが)できている会社も増えてきますからね。

なので、まあ思い切ってこの機会にね、転職するっていうのも選択肢にぜひ入れながら、交渉していただくといいのかなと思います。

大槻:(会社に)残らなきゃいけないと思うと、ちょっと及び腰になっちゃいますからね。(ハイブリッドワークができる)ほかの会社もありますからね。

青野:場合によってはやめますよ、ってぐらいのつもりで交渉してほしいなあと思いますね。

大槻:人生は有限ですから。

アンチリモート、アンチIT勢力との向き合い方

大槻:先ほどの話にも関係しますけど、まあ「説得」っていうよりは「成功例を見せていく」っていう方が、経営者としてはすんなり入ってくるんですかね?

青野:そうですね。やっぱりマネジメントが難しいから(リモートを)やめさせたいってマネジャーの人たちがいると思うんですけどね。先ほど大槻さんがおっしゃったみたいに、ちゃんと情報だけじゃなくて状況まで共有できればね、マネジャーもたぶん安心できると思うんです。

なので、そういう(状況も共有できる)ツールを入れて、ちゃんとマネジャーに見える化してあげると。「ほら、安心してください。裏でこそこそしませんから大丈夫です」と(成功例を見せていく)。まあ、こういうツールを入れることも大事かなと思います。

テキストコミュニケーションが苦手な人がいる場合、どうしていくべきか?

1. テキストのやりとりが増え、それに伴い温度感や齟齬が増えています。

・サイボウズ様ではこういった事象はございますか?

・またどういった対策をされておられますでしょうか?

2.働き方や価値観が変わる中で従業員の意見や価値観を受け止めることに葛藤はございませんか?

青野:これは大槻さんに聞いてみたいですね。テキストのやり取りが増えて、(でも)テキストが得意な人だけではないですからね。

こういう(意思のすれ違いといった)ところ、どうやって埋めて言ったらいいんでしょう?

大槻:(訓練しないと)どうしようもない部分は絶対ありますよね。ビジネスパーソンの新しい必須スキルだなと思います。

サイボウズのお客さまでも、kintoneとかを導入された八百屋さんが、社員みんなでブラインドタッチの練習をしていたりとか。

青野:八百屋さんが!

大槻:それだけ会社にとってメリットがある。みんながテキストコミュニケーションできるようになってくれたら、非同期で場所を問わず(仕事ができる)とか、そういったメリットの方が大きいという意味だと思うんですよね。

なので、テキスト(のやり取りを)頑張りましょうっていうのはあると思うんです。

けれども、そうはいっても難しいという方には、最近はスマホを皆さんお持ちなので、動画で撮って(状況に関する共有を)アップするとかもある。

音声入力も最近すごいですよね。進化が激しいので、kintoneのコメント欄をタップして音声で書いても意外といけちゃうかもしれない。

そんなことはどんどんどんどん、やりやすい世の中にはなってくるのかなという気がしております。

青野:1個紹介していいですか? 僕が先月始めた取り組みに『青空ゆるトーク!』っていうのがあるんですよ。これ、名前がついたばっかりで(社員も)まだ知らないと思うんですけど。

みんながテキストでバンバン入力してね、ストレスをそれで発散できる人はいいんですけど、そういう人だけじゃないので、僕のランチの時間、12時から1時のあいだ、僕がゆるゆるしゃべってるんで、参加したい人は来てください。耳だけ(の参加)でもいいし、しゃべれる人は参加してしゃべってもらってもいい(という会)。

大槻:Zoomでやられてるんですか?

青野:はい。Zoomで会議室を作ってやってる。これが結構みんな集まってくるんですよ。

『青空ゆるトーク!』はGaroonのスケジュール機能で全社公開され、社員であれば誰でも参加できる

で、テーマをね、たとえば「シン・ウルトラマンについてみんな語ろう!」みたいな。「(映画を)観たけど、あそこ(のシーン)がどうだ」とか、みんなしゃべりたくてしょうがない。

本当はね、ああいう雑談をきっかけに、違う部署の人と話しやすくなったりして、仕事もうまくいっていたんだけど(ハイブリッドワークだと失われやすい)。なので、口頭で話す場を作ろうってやったら、みんな盛り上がってね。

大槻:仕事以外のネタって(雑談のネタとして)鉄板ですよね。

青野:鉄板ですね。でもほんとそれが、このコロナで失われたのを実感したんですよ。

それは単に、幸福度に悪影響を及ぼしているだけではなくて。人間関係を構築したりとか、相手のバックグラウンドを知るとかね、たわいもない会話の中から新しいビジネスアイデアが生まれてきたりもしますから、実は仕事面においてもプラスが大きいなって思うんですよね。

なので、意図的に雑談を増やしていく。で、オンライン上で雑談をやってると、ちょっと目には付いちゃうじゃないですか。大槻さんが分報を書いていても、「大槻さん、なんなんだ。仕事中なのにこんなこと話して」って(笑)。

(オフラインの)会話だったら気づかれなかったのに、(雑談していることが)全社に気づかれちゃう。

なんだけど、それを受け入れていく。「こんな雑談があってこそ仕事ってうまくいくよね」っていう、こういう認識を持てると(業務と直接関係のない)雑談も、テキストでもあり、ビデオ会議でもありと、もっと増やしていけるのかなと思ったりしますけどね。いかがでしょう。

大槻:(Zoomで雑談をするという)それもまた、Zoomだけでやってしまうと閉じちゃうので、Garoonの予定として入れたり、それをkintoneでシェアしたりして、ゆるく広がっていく感じと組み合わせるといいのかもしれないですね。

青野:(雑談が)さらに広がりますよね!

情報に対する感度の違いをどう受け入れるか?

自分の分報に返信を期待してしまう、というのは発生しないのでしょうか? 返信がないと寂しくなる、みたいな。

青野:返信がないと寂しくなる(笑)。

大槻:青野さん、これどうですか? ご自身でも分報をやられていて、「いいね!」がつかないときもあると思うんですけど(笑)。

青野:結構ね、僕、分報書いてるじゃないですか。で、自分の中で「わあ、これは『いいね!』がいっぱい来るかな」と思ったら意外と来ない。

なのに、たわいもないつぶやきにいっぱい「いいね!」がついて……みたいなのがあるんです。おもしろいですよね。

32個の「いいね!」がついた、青野の何気ないつぶやき

大槻:情報共有と状況共有の、ニーズの違いなのかもしれないですね。たわいもないことのほうがいいねと思うのかも。

青野:あと、「いいね!」を押すこともまた状況共有になってますよね。「僕も共感しました」っていう意思表明ですよね。

もちろん、返信がないのは寂しくなりますが(笑)。寂しくなっても、いろいろ工夫しながらみんながどんな言葉を期待してるのかっていうのを確認できますから。だんだん上手になってきますね。

関連記事:「サイボウズ、思っていたよりもチームワーク感がないんです」 中途社員の衝撃発言を受けた、青野社長のテレワーク奮闘記 - ログミーBiz

情報を取りに行く感度を上げる方法があれば教えてほしいです。「参加しないと見ない」「相手がいないと発信しない」人が多くて困ってます……。

青野:これ、多い悩みでしょうね。情報を取りにいく感度ね。

なかなか(自発的に)見ない人、いっぱい情報が共有されても、積極的に見にいこうとしない人もいるよね。発信が苦手な人もいらっしゃいますよね。いかがですか?

大槻:そうですね。人それぞれっていうのは前提としてあっていいと思うんですね。(自分の)ペースがあると思うので。

ただ、先ほど(小林)悠さんという、うちの社員のキュレーターの存在をご紹介したかと思うんですけど、 (みんなに広めた方がいい情報を選んで)シェアしてくれる人っていうのは必ず出てくると思うんですよね。

そこから知ることによって、「あっ、サイボウズ上でこんないい情報が共有されているんだ!」って気づきが生まれれば、ちょっと(自分からも)見てみようかなみたいなことも生まれてくるかと思うので、焦らず。

逆に言うと、見にいきたいと思える、(情報への)感度が上がるような情報が(オンライン上に)上がっていますか、っていうことの方がもしかするとポイントかもしれないですね。上からの通達とか、そういうつまらない情報だけだと自分から見にいかなくなる。

青野:僕らも強制はしてないですね。「必ず見ろ」とか。必ず見る(べき)掲示板は本当に1個しか無くて、それ以外は基本自由。発信も義務化はやっぱりないですよね。

だから、その辺はどっちかというと、まあそういう苦手な人もいることも受け入れながら、そういう人でも参加しやすい、見やすいコンテンツを増やしていくという。そんな感じですかね。

そういう人がね、発信したらね、もう積極的に「いいね!」をつけてあげてほしいね。

大槻:「ついにつぶやいた!」って。

青野:そういうのいいですよね。

リスク管理部門や監査組織からの指摘にどのように回答したのかを知りたいと思います。

大槻:逆にオープンになることで(リスク管理部門などが)喜んでる感じはあるんじゃないかなと思うんですけど。

青野:リスク管理部門・監査組織から「こんなに情報を共有してたら、情報漏洩のリスクが深まってしまうんじゃないか」とか、そういう指摘があったんじゃないか、ということですかね? この辺はサイボウズも工夫しながらやってますよね。

まず、基本的には情報を共有することは大事であるということなんで、他社だとなかなか共有しづらい売上情報も含めて、頑張って共有しています。

それが漏れるリスクは「ある」「ない」でいくと「ある」んですけれども、「漏らしちゃダメよ」っていうのはちゃんと言うと。「この情報はちゃんと公式発表されてから(社外には)言ってね」っていうふうに言うことで、まずモラルをあげるということですね。

じゃあモラルだけでそれを防げるのかって言われると、防げない可能性もありますよね。だけども、そういうリスクがあっても、やっぱりメリットの方が大きい。リターンの方が大きい。

ちょっと失敗して、ちょっと痛いぐらいだったら、もうそれはかすり傷ぐらいなんで、どっちかっていうと、こっち(情報がオープンであること)のリターンのほうが大きいよねっていうことで(情報共有を)進めてます。

ただ、そうは言っても、やっぱりインサイダーの情報とか、プライバシーの情報とかは厳重に扱わないといけないので、そういう情報はアクセス権をつけてやってますかね。この辺もね、日々改善してますよね。

大槻:経営者の立場からすると、もちろん(情報を)守ることも大事なんですけど、現場からの「それ、どうなんですか?」とか「こんな変なことが起きてます」っていうアラートが上がる方が、やっぱり大事ですよね。

(問題の発生を)止めるっていうよりは、どんどんどんどん(問題の情報を)上げてもらう方向にどっちかというとレバーを倒したいっていう、そんな感覚なんですかね。

青野:ほんと大槻さんがおっしゃった通りで、現場の情報にいっぱいアクセスできて、状況共有までできるようになったら、リスクの芽が出てきたときに早く気づけますよね。

その芽が大きくなる前にね、みんなで気づいて止めにいけますからね。むしろ全体のガバナンスとしてはね、こっちの方がリスクを下げられるよねと。こういう考え方でいけるといいですよね。

大槻:なるほど、わかりました。では、お時間もまいりましたので、Q&Aの方は以上とさせていただきます。

基調講演の方も以上とさせていただきまして、この後もですね、セッションが続きますので、引き続きご参加いただければと思います。ありがとうございました。

青野:ありがとうございました。

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