経営会議は、ながら聞きもOK。離れて働いても「会社の方向性」を感じるための、サイボウズ経営支援本部の最新の取り組み
セミナー
THE HYBRID WORKでは、2022年6月3日(金)にオンラインイベント「THE HYBRID WORK JOURNEY」を開催。サイボウズのハイブリッドワークのノウハウを半日に凝縮してお伝えしました。
本記事では、その中で開催されたセッション「人事担当者、経営者必見! 離れて働く組織をバラバラにしない、サイボウズの新たな仕掛けとは?」の前編の模様をお届けします。サイボウズの経営支援本部 情報共有支援部のメンバーが、ハイブリッドワーク時代に力を入れている「会社の方向性を伝えて組織に一体感をもたらす取り組み」とは?
スピーカー
- 橋本 岳(サイボウズ株式会社 経営支援本部 情報共有支援部)
- 古谷 千紘(サイボウズ株式会社 人事本部 コミュニケーション促進チーム )
- 今井 豪人(サイボウズ株式会社 コーポレートブランディング部 ワークスタイルエバンジェリスト)
目次
不安感や孤独感への対応は、ハイブリッドワーク時代の重要な組織課題に
今井:皆さんこんにちは! 本日は「会社の方向性が見えない、他部署との連携が難しいーー離れて働く組織をバラバラにしない、サイボウズの新たな仕掛けとは?」セッションにお越しいただき、誠にありがとうございます。
本日モデレーターを務めます、今井です。サイボウズや中途で入社して社会人歴は4年目になります。
始める前に私の方から1点、注意事項がございます。このセッションではサイボウズの社内事例がたくさん登場します。
そのため、中にはちょっと極端だなというふうに思われる例もあるかもしれないんですけれども、その中の考え方の一部でも何かお持ち帰りいただければというふうに思いますので、最後までお付き合いいただけますと幸いです。
それではさっそくセッションの方にいきたいと思います。
冒頭の基調講演をご覧になっていただいた方は、これから世の中として、徐々にハイブリッドワークが進んでいくんだろうなというのがなんとなく感じていただけたかなと思います。
そして、多様で柔軟な働き方を歓迎する声と同時に、離れて働くことで生まれる課題というのも見えてきたタイミングかなと思います。そんな中でも本日着目したいのが心の不調、いわゆるメンタルヘルスというところになります。
こちらに映っているのが月刊総務さんのアンケートなんですけれども、実にこの中で4割以上の方が心身に不調を増えたと答えているデータがあったりもします。
続いてこちらもまた、月刊総務さんのアンケートなんですけれども、今度はその不調の要因というのをさらに詳しく見ていったものになります。要因のトップになっているのが、孤独感とかコミュニケーション不足っていうところなんですけれども、これ2年にわたって実施した調査なんですね。
2020年度にトップだったこちらの(孤独感やコミュニケーション不足という)項目は2021年度にはさらにポイントを10%以上伸ばして、ダントツで今もトップをキープしているという状況です。
今度はまた、別の調査会社のレポートなんですけれども、パーソル総研さんが「不安感」とか「孤独感」というキーワードだけで40枚以上のレポートを出していたりするなど、まさにこうした課題の対処はハイブリッドワーク時代に企業は避けて通れないことなのかなというふうに思います。
(皆さんの)中には、不安感とか孤独感という言葉を聞くと、「まあそこはメンバー一人ひとりよしなにやってくれよ」というふうに思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただですね、これは放置してしまうと必ず組織(の問題)に返ってきます。
たとえば日々のパフォーマンスが低下したりとか、離職率が増加して採用コストも上がってしまったりとか、前向きな会話が減ってしまって、新しいアイデアが生まれにくくなったりするなどして、組織全体の生産性というのも最終的に下がってきてしまうのではないかなと思います。
こうした課題は、実はサイボウズも決して他人事ではありません。昨年、Cybozu Daysというイベントで実施した「テレワークちょっとつらいよ」という声を集めたセッションなんですけれども、サイボウズ社内からも不安感とか孤独感というところをキーワードにした声がたくさん出てきました。
【Cybozu Days 2021】「サイボウズ社員だけど、テレワークがつらいんです」
— Cybozu Days/Cybozu Circus 公式 (@cybozudays) January 5, 2022
孤独を感じるオンライン会議、感情や本音が読めないテキストコミュニケーションなど、テレワークに限界を感じている社員たちが赤裸々に本音を語るセッションのレポートを公開いたしました。https://t.co/ZbiOtvpF95
なので今日はですね、不安感とか孤独感というキーワードの中でバラバラで働く時代だけれども、組織全体がバラバラにならないためにはどうすればいいのかっていうところを、ゲストのお二人と一緒に考えていければなと思います。
まずは経営企画部の橋本さんから自己紹介お願いしてもよろしいですか?
橋本:はい、経営企画本部 経営企画部に所属しています橋本岳です。普段は経営会議の運営やデータ集計等を行っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
今井:よろしくお願いします、ありがとうございます。それでは続いて古谷さんも自己紹介お願いいたします。
古谷:はい、人事本部 コミュニケーション促進チームの古谷と申します。普段は社内イベントの企画運営ですとか、福利厚生制度の運用を担当しております。本日はよろしくお願いいたします。
今井:ありがとうございます。それではさっそく、3人でディスカッションに行きたいなというふうに思うんですけれども、今日は僕のほうで考えるにあたって1枚スライドを持ってきました。
このスライドはですね、先ほどちょっとご紹介したCybozu Daysのイベントの中でも取り上げた不安感とか孤独っていうところに関するサイボウズ社内の声なんですけれども、このイベントから約1年ぐらい経って、サイボウズ社内でもいろいろアップデートされた部分があるので、その辺りも踏まえていろいろ話していければなというふうに思います。
まずですね、ちょっといろいろバーっと出ているんですけれども、この中で古谷さん、何か気になるとこあったりしますか?
古谷:そうですね、1番上の「社内に一体感を感じない」というコメントがとくに気になりました。最近、調査レポートなどでよく上がっているキーワードという印象の一方で、「一体感」がいったい何を指しているものかという疑問も少しありますね。
今井:ありがとうございます。いま古谷さんが「一体感」というところを挙げてくださったんですけれども、その下の2つ「サイボウズの一員だという実感を持ちにくい」とか「本当に自分が必要なのかと思う瞬間は多い」も、この一体感というキーワードに関わってきそうな気がしますね。
ちなみに橋本さん、この一体感というキーワードに、対して何か思われることありますか?
橋本:そうですね、一体感という言葉の定義は難しいんですけど、個人的にはこう「みんなで同じ方向に向かっている」っていうイメージを持っています。これを言い換えると、共通の理想に向かっているっていう状態だと考えているので、
会社の方向性がわかると、一体感って出てくるんじゃないかなと考えてます。
今井:たしかに、会社の方向性というのがわかってくると、自分の業務とその会社の方向性っていうのを結びつけてとらえられるようになるので、その分、組織の一員としての実感はすごく持ちやすくなるだろうなというふうにいま聞いていて思いました。
ちなみに、会社の方向性を示すとなると、おそらく経営企画部の橋本さんの仕事に近い部分かなというふうに思うんですけれども、このあたり本日ちょっと詳しくご紹介頂けますでしょうか?
橋本:ぜひお願いします。
ハイブリッドワークの状況下で「会社の方向性」 をいかに伝えていくか
今井:ありがとうございます。それではですね、改めまして前半のパートはハイブリッドワークの状況下で、サイボウズが会社の方向性というのをどうやって伝えるかというところを、経営企画部の橋本さんと一緒に考えていきたいなというふうに思います。
それではさっそく、サイボウズの取り組みについて教えてください。
橋本:はい、サイボウズでは経営会議や経営情報をオープン化することで、会社の方向性を伝えるようにしています。
今井:なるほど。経営会議がオープンになっているっていうふうに聞くと、それだけでかなりびっくりされる方も多いかなというふうに思うんですけれども、そもそもサイボウズの経営会議って、どういった情報を扱う場なのでしょうか?
橋本:サイボウズの代表的な経営会議は2つありまして、事業戦略会と本部長会ですね。それぞれ一言ずつ説明しますと、事業戦略会っていうのは各本部の関係者が集まりまして、製品サービスの戦略や企画に関する意思決定の場となっております。
本部長会の方は、各本部のマネージャーが集まりまして、人事関連だったりとか、社内制度や予算などの組織運営に関する意思決定の場となっております。
サイボウズの中で比較的、影響の大きい意思決定だったりとか報告っていうのは、この会議で実施されています。これらは基本的にオープンになっていまして、社員誰でも参加できるようになっています。ただ、プライバシー情報とインサイダー情報のこの2つのみ、参加や視聴っていうのは制限されている状況になってます。
今井:なるほど。そんな重要な情報がオープンになってるんだって、結構びっくりされた方も多いんじゃないかなというふうに思うんですけれども、具体的に参加したいってなった場合、どういった流れで参加すればよろしいでしょうか?
橋本:まず、経営会議の開催は都度、左の図のようにkintone上で告知をしています。その告知で議題とGaroonのスケジュールを共有していますので、こちらをクリックしてもらうと、右の図にあるGaroonのスケジュール画面に飛びます。
経営会議に参加したい方は、この画面からこの予定に参加するボタンをポチッと押してもらって、予定に入ってもらえばそれだけでオッケーです。
今井:なるほど、いま左側のkintoneの全社告知の話をしていただいたと思うんですけれども、ここさえ見れば議題とかも含めて全部わかるようになってるっていう感じなんですね。
橋本:そうですね、個人的にはここがポイントかなと思っています。多くの企業は、経営会議に関する情報っていうのは事後報告かつクローズドで行われているケースが多いのかなと推察しています。
しかし、サイボウズでは事前に議題もスケジュールも全社に公開しています。これによって、サイボウズのメンバーは自分が聞いた方がいい議題かどうかっていうのを自主的に判断してもらって、必要であれば自分から参加できるようになっていたりします。
今井:そもそも議題がオープンになってないと、自分が参加するべき内容のものかっていうの判断できないですもんね。
橋本:今回は割愛させていただくんですけれども、起案の内容だけではなく、その背景だったりとか詳細みたいなところも見られるようになっていまして、事前情報も含めて、できる限りオープンにすることにこだわっています
今井:ありがとうございます。それでは続いて、経営会議当日の様子も教えていただけますか?
橋本:経営会議の当日は、ウェブ会議を使ってオンラインで開催しています。スライドのような感じで、まあ絵にすると普通のZoomの会議ですね(笑)
議題に興味があるだけで発言しようとは思ってない「耳だけ参加」みたいな方は画面オフで参加されていたりもします。
今井:なるほど。たしかに耳だけの参加がオッケーで画面オフもオッケーとなると、だいぶ参加のハードルが下がりそうな気がしますね。
昨今、おそらくウェブ会議が増えてきたなーっていう印象の方も多いかなと思うんですけれども、サイボウズの場合、この経営会議までウェブになってるんですね。
橋本:そうですね。コロナ対応をきっかけにオンライン化しましたが、今後もウェブ会議の運営は(オンラインのままで)変わらないかなと思っています。
というのも、ウェブ会議であれば、拠点関係なく発現のしやすさがフラットになるというのが理由の1つです。
今井:もう少し詳しく教えていただけますか?
橋本:コロナ前は、東京オフィスの会議室から参加されている方が大多数だったので、音質などの関係から他拠点の方は若干発言しにくい状況だったかなと思っています。しかし、コロナ禍では個人のPCからZoomに接続していただく運用になったので、拠点の関係なくフラットな関係になって発言しやすくなったのかなと考えています。
今井:なるほど。たしかに会議はリアルのほうがいいって思い込みってわりと多いなというふうに思うんですよ。思いがより伝わりやすかったりとか、やり取りもそっちの方がスムーズだなって思う人も多いかなと思うんですけれども。
いまの橋本さんの話を聞くと、オンラインを中心にすることのメリットっていうのも結構あるんだなというふうに思いますね。
橋本:はい、まさにそう思います。リアルの強みっていうのもあるかとは思ってるんですけれども、オンラインならではの強みっていうのも確実にあるのかなと考えています。
今井:なるほど。サイボウズの経営会議が具体的にどうやってオープンになってるかっていうのがよくわかったかなというふうに思います。ありがとうございます。
議事録と実況スレッドも組み合わせて、会社の方向性のキャッチアップやその議論への参加のハードルを下げる
今井:ここで、ちょっと1個、ぼくのほうから意地悪な質問をしたいなというふうに思うんですけれども。
せっかくこんなに貴重な情報がオープンになっても、たとえば打ち合わせが被って参加できない人とか、そもそも業務がパツパツでそんな時間ないよって人もいるかなと思うんですけれども、そういった方々へのフォローとかって何かしているんでしょうか?
橋本:そうですね、すごくいいポイントだと思っていまして、そのような方は多くいると思っているので、リアルタイムで参加できない人にも情報がしっかり広がるような取り組みを行っています。
今井:なるほど、ちょっと具体的にどういった取り組みかご紹介いただいてもよろしいでしょうか?
橋本:はい、主に3つ工夫をしてまして、1つ目が議事録、2つ目が録画、3つ目が実況スレッドとなっております。
今井:なるほど。それぞれ詳しく教えていただきたいなと思うんですけれども、まずは議事録ですね。
橋本:はい、議事録が今日伝えたいことの大きなポイントになるかなと考えています。
まず、議事録は基本的に経営会議の当日に全社公開しています。ほかの関係者に確認すべき事項があったりして、遅くなったりすることもあるのはあるんですけれども、遅くとも翌日には公開しています。
この議事録には決定事項だけではなく、「誰が何を言ったか」ベースの発言録で議事録を記載しています。
また、資料も添付されておりまして、その背景だったり経緯というのも把握できるように工夫しています。
さらに、テキストのみでは伝わらない会議の温度感みたいなところも知りたい方がいらっしゃいますので、Zoomの録画も議事録に添付しておりまして、動画でも確認することが可能です。
今井:いま橋本さんから発言録ベースのこだわりっていう話があったと思うんですけれども、ぼくもこの議事録をよく読む立場として、すごくありがたいなといつも思っています。経緯とか背景部分もすごく理解できるなというふうに思うので、すごくいい取り組みだなというふうに思っております。
ちなみに古谷さんは、議事録と録画でいうと、どっちでキャッチアップする派とかありますか?
古谷:私は議事録でキャッチアップする派でして、なかなか動画を見る余裕がないなっていうときでも、その場の雰囲気とか、誰が何を言ったかっていうので経緯とかもすぐ把握できるので、非常に助かってますね。
今井:なるほど、ありがとうございます。
続いて、「実況スレッド」というところも上げていただいてたと思うので、そもそもこれが何かというところからご説明いただいてもいいですか?
橋本:はい、サイボウズには実況スレッドという文化がありまして、会議中のやり取りをkintoneのスレッドという場所でつぶやいたりする取り組みです。
野球やサッカーにも実況の人っているじゃないですか。そんな感じで、それを会議バージョンにしたようなもので、それを口頭ではなくテキストで行っています。参加者が思い思いに感じたことをこの実況スレッドという場に書き込んでいるものになります。
今井:なるほど。ぱっと見た感じ、より細かくその場の臨場感とか、経緯が分かってすごくいいなというふうに感じますね。
橋本:まさにそうですね。この議事録と実況スレッドを併用して、議論をキャッチアップする人もいらっしゃいます。
実はこの実況スレ、そのメリットが他にもあるって考えているので、もう少しお話してもいいですか?
今井:はい、ぜひお願いします。
橋本:この実況スレッドのメリットの1つに、その発言者以外の考えを可視化できるってことがあるのかなと考えています。
オンライン会議って発言者が多くなればなるほど、発言がちょっとしづらくなるじゃないですか。
サイボウズの会議は、基本的にこの実況スレッドを横目に見ながら行いますので、ここに書き込むことで、いろんな方が問題提起したりとか、所感を書き込んだりして、そういうのを共有することができます。
実際、ここでの書き込みを司会進行役の方が拾って、そのまま会議の話題に持ち込まれるみたいなことも日常茶飯事なんですよね。
今井:なるほど。なんか経営会議で発言しろっていうふうに言われると、すごくウッてくる人も多いかなっていうふうに思うんですけど、この実況スレッドに書き込んでというぐらいだったら、自分でもできそうだなって人もたくさんいそうな気がしますね。
右側にいま出ている例とか、まさにこの実況スレを通じて、その自分の感想を共有したりとか、ちょっと問題提起している場面なのかなというふうに思いました。
ちなみに今回、この実況スレッドの取り組みは経営会議という文脈の中で取り上げたんですけれども、実はこれ、オンラインの会議であればすごく汎用性が高く使える取り組みです。なので、やってみたいと思った方は(会議の内容を問わず)ぜひチャレンジしていただければというふうに思います。
ちょっといろいろ話も出たので、いったん僕の方で整理したいというふうに思うんですけれども。サイボウズの経営企画部は単にその情報をオープンにするっていうだけでなく、それをより多くの人にどうやって届けるかっていうところで、すごく試行錯誤しているというのが伝わったかなと思います。
ここで、ハイブリッドワークっていうテーマもあるので、もう少し突っ込んで聞いてみたいなというふうに思うんですけれども。橋本さん、ハイブリッドワークになってから、新たに始められた取り組みとかって何かありますか?
テキストだけでは難しい「施策に対する担当者の思い」を語れる場も用意する
橋本:ハイブリッドワークになってから、新たに始めた施策でいうと、CMタイムというものがあります。
今井:なるほど、CMタイム。ぼくもこれすごく活用させてもらってます。詳しく教えていただけますか?
橋本:CMタイムというのは、社内に伝えたいことだったり協力してほしいことがある部署が、参加者に向けてアナウンスをする30分間のイベントとなっております。
正式名称は「Cybozu Message Time」で、CMタイムと略した名前なんですけど、その名の通りテレビCMをイメージしていまして、各チームが入れ代わり立ち代わり、PowerPointとかを用いて発表したいことを発表していくようなイベントになっています。
今井:なるほど。この施策が生まれた背景を教えていただけますか?
橋本:実はここ数年ハイブリッドワーク中心になって離れて働く中で、やっぱり情報量を厚めに伝えるっていうのがすごく大事だなって思うようになったんですね。
ハイブリッドワークだとテキストが中心になる企業が多いかなと思ってるんですけども、テキストだけでは施策の裏にいる”人”の存在だったりとか、思いとか背景ってどうしても抜け落ちてしまうので、CMタイムではそうした情報を担って、顔出ししてもらいつつ、PowerPoint等も用いて情報量を厚めに伝えてもらって、施策の理解や協力を仰ぐみたいな場として機能しています。
今井:なるほど、これ個人的にもすごく共感しますね。「経営企画部が何かやっている」っていう感じじゃなくて、「経営企画部の橋本さんが何々をやってる」っていうふうに捉えられるようになるってことですね。
そうなると、自分もすごくその施策のことを理解したいなあっていうふうに思えますし、できることがあるなら協力したいなって思えそうだなあというふうに感じます。
橋本:そうなんですよね。やっぱり「人」っていうところが大事なのかなと考えています。
今井:なるほど。すごくおもしろかったです。ありがとうございます。
それでは、会社の方向性をどうやって伝えていくかというテーマの中でもいろんな話が出たと思うので、あらためて前半パートのまとめを橋本さんにお願いしてもよろしいでしょうか?
橋本:まずは1点目「会社の方向性を伝えるために、経営情報を少しでもオープンにすること」ですね。
すべてをオープンにするのは難しいというか、さすがに厳しいので、伝えても問題ない意思決定事項を伝えるようにしたりとか、小さいところから始めてもらえるようにするのがいいかなと思っています。
最終的には詳細だったりとか、背景などもオープンに伝えていけると、いいのかなと考えています。
2点目は、「受信者目線の情報伝達を心がけて、できる限り多くの人に届ける手段を用意する」っていうことですね。
情報をオープンにするだけで伝わると思ってほしくなくて、受け手が受け取って初めてコミュニケーションっていうのは成立すると思っているので、情報を受け取りたいと思ってもらえるような、手段や工夫をしてほしいなあと考えています。
最後に、ハイブリッドワークでは情報量を削ぎ落とさずに伝える場っていうのを設定してもらえたらなと考えています。
ここでいう情報っていうのは施策の目的とか背景とか思いみたいなところなんですけれども、こういうのはやはりテキストだけでは落ちてしまいやすいので、こういう「人らしい部分」を伝えられるような場を設定することが大切かなと考えています。
今井:なるほど、「人らしい」っていう言葉はいいですね。橋本さんがすごく伝えたいメッセージが詰まったワードというふうに感じました。
はい、それではこちらで前半のパートは以上になるんですけれども、ここで一度、ディスカッションのほうに戻りたいなと思います。